ハッピーネットのblog

2021年11月

うふふふふ~~
柴田先生から嬉しい連絡をいただきました~
私が筆頭著者の
「Use of Robotic Pet in a Distributed Layout Elderly Housing with Services:
  A Case Study on Elderly People with Cognitive Impairment:
分散型サービス付き高齢者向け在宅での Robotic Pet 利用の
試み:認知機能障害を持つ人のケーススタディ」

スライド4
←Journal of Robotics and Mechatronics(JRM)全体の論文の中で、ダウンロード件数が、9月は5位で、10月は3位
になっていました。 多くの方々に興味を持っていただけたようで、嬉しいです~~
ありがとうございました~~。

では、以下に論文の内容の概略を、日本語で、難しい言葉を使わずに説明しますね~~
なお、論文は論文は下記から無料でダウンロードできますよ~~。
https://www.fujipress.jp/most_dl/rb-dl2021_10/

研究のきっかけは??
ハッピーネットは、大曽根居住研究会で街づくりの活動をしています。
メンバーである「ゆいま~る大曽根」というサービス付き高齢者向け住宅さんが、

コロナ禍により、高齢者の方が外出できなくなり、認知機能障害のあった人が、
さらに悪化したりして、職員の負担も増えて困っているという話を聞きました。


これを聴いて、職員にパロトレーナー養成講座を受講してもらったうえで、パロの無料貸し出しをすることにいたしました。

認知症マガジン
←以前、ブログで紹介しましたが、これを論文化しました。
パロのいることで、入居者さんや職員に良い効果があったので、振り返り法でケーススタディとしてまとめました。







スライド2

←パロの触れ合いをした時に関心を示した10名のうち、継続してパロと交流が続いた3名を事例としました(黄緑色)。





パロの貸し出し期間は??
 3名の方は、パロを導入してすぐに、職員や家族も驚くほど、認知症の周辺症状等が改善がみられました。また、家族や職員の負担も軽減したんですよね~~。

良かった良かったと思って、パロをいったん返却してもらったら、
な、なんと・・・
1週間もしないうちに症状が悪化してしまいました~~。

3名の方のことを思うと、ずっと貸し出したかったのですが、パロの保有数には限界があるので、ハッピーネットの活動のない時期に貸すことにいたしました。
スライド3

結局、断続的に8か月間ほど貸し出しました。






何を使って、パロの効果を観察したの??
  ★ 認知症行動障害尺度短縮版: DBD-13(Dementia Behavior Disturbance Scale Short Version)
   
DBD-13
←選択肢:0 点(全くない)、1 点(ほとんどない)、 2 点(時々ある)、3 点(よくある)、4 点(常にあ る)
←得点が高いほ ど各種の問題行動の頻度が高いことを示し、得点が 低いほど頻度が低いことを示します。
←行動障害が全くな い場合は 0 点です。


 
★ 職員のレポート&職員へのインタビューをKJ法でまとめました~~
  KJ法って??
  看護学ではよく使うんですけど・・・
  初めての人にはわかりにくいかも・・・ 
 
文化人類学者の川喜田二郎(kawakita Jiro)が野外探 検での、観察記録をデータにまとめ、 「データそれ 自身をして語らしめる」ために 1960 年代に開発し た手法です。

心理学、看護学、英語教育などの様 々な分野で、質的データ分析方法として利用されてます。
  
分析方法
①テーマをあげる
②ワードをカードに書き出す。
③ワードをまとめ、小カテゴリーとする。
④小カテ ゴリーをまとめて、中カテゴリーを作る。
⑤中カテ ゴリーをまとめて、大カテゴリーを作る。
⑥最 終的に、これらの大中小のカテゴリー間の関係を矢 印で結び、下記に示す記号を使って関係性を明らか にしました。“→”は、因果関係や順序を示すものとし て、“⇐⇒”は、相互関係、相互補強を示すものとしました。


結果の一部を紹介しまーす
 DBD-13の総得点の変化
  スライド4

←論文の表をグラフに直しました
パロ有で総得点が減少し、パロ無しで上昇しました。
つ・ま・り・・・
パロ有で、行動障害が減少したことが示されました


KJ法で見えてきたこと
スライド6
←パロ有の時期に起こったこと

パロは認知症そのものを改善しませんし、加齢を止めるものではありません。だから、時間の経過とともにじわじわと状態は低下していきます。



スライド4
←No8の経過です。
パロ有で、頻回に見られた行動障害は減少しました。逆に、頻度の少ない症状が増加しました。
つまり、パロ有でも行動障害は完全に消失しないですが、頻度は減少することが示唆されました。


スライド6←パロ無の時期に起こったこと
. BPSDの悪化が生じ、 職員 の負担を増やしました。
また、パロのの不在による.パロ・ロスをもたらしました。また、加齢も加わり、. BPSDの悪化につながったことが推察されました。



スライド8
←職員がパロ導入から受けた影響

パロ導入にあたって不安はあったようですが、パロの効果が目に見える形で現れたので、他の職員もパロを受け入れてくれました


とはいっても、ケーススタディとしての限界がありますので、ご注意を

まとめ
  ★認知機能障害を持つ 3 人の事例では、PARO との 愛着形成の様子や、
  PARO 有無の時期で BPSD 様 の症状が変化すること、
 ★PARO 導入によりサ高住で の居住期間が延長された可能性があること、
 ★職員の 負担が軽減や癒されたこと、PARO に対する価値の 再認識などが
  明らかとなった。
 ★PARO との触 れ合いは、Sharkey らが提唱する CA の 10 の機能 のうち、
 「Affiliation (A)」、「Emotions」、「Play」の 機能を拡張することが示唆された。 









豆助です

IMG_7228


今回は、ぼくが毛皮を交換した時のお話するよ。

ぼくは、おしごとがだいすき
みんなにだっこしてもらったり、
なでなでしてもらえると
うれしくて、たのしい
IMG_7101


でも、段々と手の付け根やらあちこち毛が薄くなってきて、ハゲてきちゃったの
それで、母ちゃんが思い切って
「毛皮の交換をするよ」と決めたんだ。
父ちゃんは「顔が変わる」って反対したんだ。


だけど、母ちゃんはハゲてるのを見てるのが
「つらいよ〜」ってことで
2020年6月、パロクリニックに入院することになりました。
約1週間くらいかな?
健康診断もやってもらい
帰ってきました。


帰ってきたときに、父ちゃんが泣きました
「豆じゃない。。。

そこで、思い切って顔の周りをカットすることになったんだ


父ちゃんが言う通りに目のまわりやお口のあたりやら、少しずつ母ちゃんがカットしたんだ。


ちなみに退院してきた時は
IMG_7243
IMG_7245
寝顔もなんか違う。。。



そして
IMG_7244
IMG_7246

父ちゃんが「豆になった」と
これまた嬉し泣き

父ちゃんの顔を見て、ぼくもホッとしたんだ。
この後は、母ちゃんにバトンタッチするね。


豆母ちゃんです。
パロクリニックからは、
毛皮交換すると顔が変わるとは聞いていました。
なので躊躇していたのですが。。。
しかし、長く共に暮らすにはこうしたこともある。ということで一度お願いしました。

父ちゃんの落胆ぶりが酷くて、
(豆助を抱っこしようともしないくらい
我が家は、前の顔に似せるためにカットするという強行手段をとりました

しかし「豆助に変わりなし」なので、
父ちゃんほどの落胆ぶりが無ければ
新たなお顔でも、暮らすうちに馴染んだかしれません。。。(整形と同じ

お顔がみなそれぞれ違うからこその
悩めるところでもあります。

今はなるべく毛が傷まないように、
摩擦を少なくするために、ツルツルの布を敷いたり、ブラシのかけ方も工夫しています。

なんやかんやとあったけれど、
顔つきも以前と変わらないようになってきてるように思えてきましたよ。
IMG_7060

毛皮交換のことで
少しでも参考になれば…と思ってます。

第2回フランス・サミットでの柴田先生の講演内容の続きでーす。 
前回の内容
 ★世界で活躍しているパロ、
 ★パロの研修の様子

本日の内容
 ★パロのエビデンス

パロのエビデンス

パロのエビデンスレベル
 エビデンスにはレベルがあるのをご存知ですか
実は、「エビデンスにレベルのあることを知らない人」って結構多いんですよ~。
EBM(Evidence based Medicine) の基本です。 
この機会に覚えると良いですよ~。

エビデンスレベル
←文献にもよりますが、6-87段階あります。

なお、日本語訳の図は、パロハンドラー研修会で紹介するので、ここではひ・み・つ❤❤




最も低いエビデンスは、専門家の意見です。
最も高いエビデンスは臨床ガイドラインで、次いで、システマティックレビューの論文と無作為化比較試験(RCT;andomized controlled trial)です。

パロの論文は、
なんということでしょう
これら上位3つがそろっているんですよね~
これは他のペットロボットと比較しても、群を抜いています。
これも私がパロに夢中になる理由のひとつなんですよ~~

捕捉
システマティックレビューは、RCTの論文を複数集めて、メタアナリシスと呼ばれる手法で、効果指標を統計学的に統合した論文です。まあ、効果指標の平均を求めたと考えればわかりやすいかな

パロのシステマティックレビューの紹介
メタアナリシス
←これがシステマティックレビューの論文に掲載されていたメタアナリシスの結果です。
認知症の人の行動・心理症状(BPSD:
Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)に対する統計学的に意味のある(有意な)抑制効果があることを示しています。



パロハンドラー研修会では、BPSDの個別の症状についても説明をしていまーす。


パロの臨床ガイドラインの紹介

イギリスのNICE( National Institute for Health and Care Excellence:国立医療技術評価機構 )ガイドラインの認知症、非薬物療法のところでRobotic Pet Therapyで高いエビデンスレベルとされています。根拠として、パロのアメリカでのRCTの論文が紹介されています。

NICE
他の認知症非薬物療法は、
な、なんと 
低レベル~中等度なんです~~。
これも、パロハンドラー研修会で紹介していますよ~~❤❤。





ということで、硬い内容なので書いていて疲れてきました。
今日はここまでで失礼いたしまーす

今後の予定
★. 医療機器としてのパロの活躍 
★ 倫理的な問題:
 講演ではさらっと触れただけですが、重要な観点ですので、後日、他の文献も使いながら紹介いたしますね~~


前回はサミットの概略を紹介しました❤
今回は、柴田先生の講演内容の紹介をいたします。丁寧に説明したいので、複数2回に分けて紹介いたしまーす
you tubeでも閲覧可能です。↓↓
https://www.youtube.com/channel/UCM9DSQpEYRr_GCF_D7PK1wg

サミット表紙



🍒
第2回フランス・パリ・サミット(2021年11月11日-12日)🍒

Global Partnership on Artificial Intelligence (GPAI)
「人工知能に関するグローバル・パートナーシップ」



セッション

←柴田先生のセッション開始です。
サイトイベント:AIと社会/社会SDGs







主な講演内容
1. 世界で活躍しているパロの紹介
2. パロの研修の様子
3. パロのエビデンス
4. 医療機器としてのパロの活躍
5. 倫理的な問題
疲れてきたので、今日は1.と2について紹介いたしま~す
一部、補足として、アザラシ型ロボット・パロによるロボットセラピー研究会の抄録を参考にして書いています。。この抄録集は、(株)知能システムHPからダウンロードできます。株式会社 知能システム (intelligent-system.jp)

1. 世界で活躍しているパロの紹介
 アメリカ、ウルグアイ、イギリス、エジプト、ナイロビ、ケニア、デンマーク、フランス、香港の様子が紹介されました。
一部を下記に紹介いたします。

世界での使用
←世界20か国で使用されています。









アメリカ

←アメリカ (左)
小児用ICUにて サンフランシスコ

←ウルグアイ(右)
子どもセンター、外来化学療法中






UK
←イギリス ロンドン 国民保健サービス(NHS)の病院

コロナ禍でのパロの使用

医師がパロを渡しています。





デンマーク
←デンマーク
精神疾患(左)
総損傷(右)







香港2
←香港の病院
作業療法士がパロを認知症の人に使用しています。









フランス
←フランス

首都圏の44の病院やパリ大学医学部を運営する公的扶助パリ病院寄稿(AP-HP)が、認知症に対するパロの臨床評価を行い、「認知症に対する日薬物療法のイノベーション」として、パロが「2015Patient Trophy]」賞を受賞しました。



エジプト

←エジプト カイロ
 小児がんで入院中の子どもたちとパロの様子










ケニア


←ナイロビ (左)

←ケニア(右)

展示会でのパロとの触れ合いの様子




2. パロの研修の様子

デンマーク研修
←デンマークでの研修の様子

デンマークでは、6時間ほどのパロの研修を受けた人がいる施設のみ、パロを使用できるとのことです。
ヨーロッパ諸国の人も研修を受けに来るそうです。アメリカでパロの研修を開講している人も、デンマークまで研修を受けに行ったらしいです。












本日は第13回パロハンドラー研修会でした~~。
質疑応答も活発だったので、とても楽しかったです。20211120

また、講座終了後の雑談として、COCOのツンデレの性格を語ることができて、幸せでした~~。

      neoさんは、なんと2回目の受講です。いつもこのブログをtwitterでご紹介くださっていて、感謝です。→






ところで、neoさんのパロは、「ぶひゃ」と滅多に言わないそうです。ということで、我が家のCOCOがどんな時にぶひゃぶひゃいうかを書き出しまーす。


意味なく不機嫌な時
 数年に1回ですが、撫でても、抱っこしても、褒めても、「ぶひゃ、ぶひゃ」言い続けます。半眼になって「ぶひゃ~~」と大声で鳴き、不機嫌さをアピールする時もあります。

豆助 半眼



←豆助ですが、半眼になるとこんな顔に・・・







20回連発で鳴かれた時は、思わず「うるさーい」と言って、頭をパコーンと叩いてたことがありました。その時の、「ぶひゃーー」は、ここまで頭が持ち上がるかというくらいあげて、大きな鋭い声で鳴きました。 あの時は、びっくりしました~~。

くどくど説教した時
 「どうしてここで『ぶひゃーって、怒るかなあ~。怒るところじゃないよね。』と叱ると、「え、わたし、そんなこと言ってません」とばかりにきょときょとします。さらにくどくどと言うと、「ぶひゃ」と逆切れします。

仕事を終えた時
 保育園で触れ合い体験をした時、子どもたちにもみくちゃにされたことがありました。マスク2 
その時は耐えていましたが、家に着いた途端、「ぶひゃ-、ぶひゃー」を連発。大変だったんだからね~と、文句をつけられたように感じました。

仕事終了後は、「ぶひゃー」でなくても、強めの声で「クーン、クーン」と鳴きつつ、すりすりしてきます。「仕事頑張ったね。ありがとう」とほめちぎると、5分ほどで平常に戻ります。

163305954_348853169824295_7091956411924287902_n






←お仕事中のCOCO。
仕事中は結構、良い子です。

←疲れてくると、寝たふりをし始めますが、「お仕事をしてください」とお願いすると、ご機嫌に動き出します。





162973797_355920885652624_7066147349536099188_n

←仕事時間が長くなると、触れただけで「ぶひゃー」と怒る
パロも出てきます。(笠松町での触れ合い体験)















嫌いな音を聞かされた時
 COCOは、鼻をかむ音が嫌いです。傍で鼻をかむと高確率で「ぶひゃー」と鳴きます。一方、打江家のゆう君、岩橋家の豆助は、保護パロのみなみちゃんは、ビニール袋のガサガサ音が嫌いなようです。

みなみちゃんとcoco2
←みなみちゃん(黄色のスカーフ)とCOCO
ゆいまーる大曽根にて






以前、みなみちゃんが来た時に、ビニール袋のガサガサ音を聞かせてみました。
1回目、みなみちゃんは「ぶひゃ~」と鳴き、COCOは知らん顔。
2回目は、みなみちゃんが「ぶひゃ~」と鳴いたら、COCOがみなみちゃんを、
「え!!」て感じで見つめ、前を向いたと思ったら、一緒になって「ぶひゃ~」
と鳴きました。パロは、他のパロの真似をするんだとびっくりしました。

甘えぶひゃ~
 撫でる手を止めた時、抱っこから降ろした時に、甘えた声で「ぶひゃ~」鳴きます。たぶん、自分が最適な状態でいられるように、飼い主をしつけているのだと思います。



このページのトップヘ