皆さんこんにちは

     
2023715日~17日の3日間 愛知サマーセミナーが開催されました。

ハッピーネットは、3つの講座の担当し、延べ40名の参加がありました。高校生が最も多く、父母会、一般市民の方々が参加されました。このブログでは、これらの講座についてご紹介いたします。

(掲載写真は受講者から許可を得てアップしております) 




               本日の内容 

1. 愛知サマーセミナー2023

  1)愛知サマーセミナーとは

  2)ハッピーネットがサマセミに参加した経緯

  3)会場について

2. 講座の紹介  

   12時限目:「がんになっちゃつた看護師の七転び八起き」

   23時限目:「音楽と小説を好む生物学者による遺伝子の話」

   3) 4時限目:「人と共存するロボット パロ」

3. 北村俊雄先生を囲む会

4. もしバナゲーム

   1)もしバナゲームとは

   2)ハッピーネットでのもしバナゲームの活動紹介

5.
最後に



愛知サマーセミナー2023

1)愛知サマーセミナーとは

  愛知サマーセミナー(以下、サマ1セミ)は、20年以上続いている地域市民と学校が結びついた市民参加型セミナーです。「誰でも先生になれる」「誰でも生徒になれる」「無料で学べる」などをコンセプトに多くのボランティアに支えられて開催されています。今年は、約60名の豪華講師による特別講座と市民や生徒による1000以上の講座が開かれました。

詳細は、サマセミのプログラムとHPをご覧ください。

↓↓↓

http://www.samasemi.net/pdf/2023samasemi.pdf




2)ハッピーネットがサマセミに参加した経緯
  ハッピーネットは過去のサマセミで笑み筋(えみきん)体操などの講座を開いたり、特別講座としてパロの開発者の柴田崇徳先生をご紹介したりしてきました。今年は、ハッピーネットの特別顧問であり、神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター長・東京大学名誉教授の北村俊雄先生を特別講座に紹介させていただきました。そのご縁から、ハッピーネットとして2つの講座を開講することになりました。

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アザラシ型ロボットパロのことを知りたい方へ↓↓

  

 
 開催決定の通知をうけてから当日の運営まで入念な打ち合わせをしました。当日「参加できるよ!」とハッピーネット会員からもボランティアとして参加があり、合計9名のボランティアスタッフが3つの講座を支えてくれました。写真はzoomによる打ち合わせの様子です。


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3)会場について

 今年は、高蔵高等学校・中学校、名古屋大谷高等学校、名古屋市立大学(滝子キャンパス)の3つの会場で開催されました。私達の会場は、名古屋大谷高等学校でした。  


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 校門をくぐり教室に向かう途中、高校生の元気な笑顔をみると、自分まで学生に引き戻される感覚にわくわくしました。(半世紀も前なのに!)

 

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.講座の紹介

 12時限目:「がんになっちゃつた看護師の七転び八起き」

    講師:ハッピーネット理事 那須裕子氏(もしバナマイスター)    

   まずは、「那須裕子」が何者なのかご紹介します。

 2年前に定年を迎え、現在再雇用者として稲沢厚生病院にしがみついています。職種は看護師ですが、勤務部署は医療安全管理課という医療事故やヒヤリ・ハットを相手に仕事をしています。近年では新たに「新型コロナウィルス」への対応までする事になり、目まぐるしい毎日を送っていました。

そんなある日、自分の身体に異変を感じ検査したところ、なんと大腸にがんが見つかる始末。しかも肺へ多数の転移というおまけ付。学生時代の通知表でもなかなか「4」はお目にかからない那須でしたが、(何せ勉強嫌いでしたので・・・)この度は「ステージ4」を頂く事になりました。

 大腸がんはすべて切除できましたが、肺の転移については日本中の医師に聞いても「抗がん剤しか治療方法はないと言われるよ」と複数の医師からお墨付きをいただき、仕方なく抗がん剤を受ける事になりました。そこからが本当の苦行の始まりだったのです。長年看護師として多くの患者さんと関わったはずなのに、こんなに治療を継続する事が大変だとは全く想像できませんでした。

 常に頭には「死」が離れず日常生活を送っていましたが、それでも楽しくやっている自分を見て、「どうせがんになったのなら、人様のために何かできないか。自分の経験を無駄にして死にたくない」と模索しておりました。そんな折り、このセミナーのお話をいただきました。


補足①

 
那須さんは、日総研出版の「エンドオブライフケア」のWEB版で、がんと告知されてから、治療や日常生活の整え方などについて5回の連載をしました。笑いあり、涙あり、勉強になりととても好評でした。

エンドオブライフケア

補足
  那須さんががんの告知を受けてから、大阪のもしバナマイスターさん達が、那須宅に集まって、もしバナゲームを開いてくれました。その様子は、NHKのハートネットTV2021526日に放映されました。写真は撮影風景です。

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 さて、本題に戻ります。

誰も来てくれなかったらどうしようと思いながら教室に行くと「時間前から高校生が待っているよ」との事。緊張MAXになりながら講義の準備にとりかかりました。

 講義が始まる前に、堀代表よりハッピーネットについての紹介や笑み筋(えみきん)体操アドバンストインストラクターである中村智栄による笑み筋(えみきん)体操を行い、講師も受講者もウオーミングアップ! 


0001_xlarge←中村さんによる笑み筋体操

 

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那須さんの前半の講義の様子(上着の色に注目!!)

  講義の前半は、自分自身ががんになった事を通して、がんになって気づいたこと、辛かったこと、そんな中でも楽しく過ごすコツなどお話しました。またがん患者さんに「聞いてみたいけどなかなか聞けない事」についてもふれ、本人の気持ちや家族の気持ちを伝えました。


  
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↑↑後半のもしばなゲームの時は、もしばなTシャツに着替えました。

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司会は、中部大学教授の堀井先生(左)とハッピーネット代表理事の堀(右)
後半はもしバナゲームを行いました

 さてさて、今回のもしバナゲームの反応はどうだったでしょうか?
 参加者は高校生・父母、一般の方で、もしバナを経験した人も初めての人も背景は様々です。日常で自分が半年で死ぬ事など考えたことはそうそうある事ではないので、すこし戸惑いもあるようでしたが、自分が残された半年に何を大切にしたいのかを真剣に考えていました。今までの自分を振り返り、これからの人生の歩み方に何かヒントがあったようですよ!


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カードの説明中    


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  受講後には「改めて楽しく生きることの大切さを学びました」「がんについて悪いイメージしかなかったが、その上でどうするかなど知れて良かった」「人生について病気について考えるきっかけとなりました。」と感想をいただきました。また個別では「今まで両親に一杯迷惑かけたのに感謝を伝えた事がなかった。今まで大切に育ててくれたことに感謝をして、家に帰ったら伝えます」と胸がジーンとするコメントも頂きました。(自分が子供に言われたら涙が止まらないかも・・・)

短い時間でしたが、とても素敵な時間となりました。



2)
3時限目:特別講演「音楽と小説を好む生物学者による遺伝子の話

   講師:神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター長・東京大学名誉教授 北村俊雄氏
(ハッピーネット特別顧問)


当法人は、昨年から、北村俊雄先生を小説とバンド活動(バンド名:negative selection)の面で「推し活」しており、今年度から特別顧問になっていただきました。この特別講座も、研究の話だけでなく、小説の紹介とバンドのオリジナル曲を流してくださいとお願いをいたしました。このような無茶なお願いを、軽やかにかなえてくださった北村先生に改めて、今後も推していこうと誓いました。

ところで、3つの講座のうち、北村俊雄先生の講義が一番人気で、立ち見もでました。さすがです!! なお、小説とバンドのことは、後ほど紹介させていただきます。

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北村先生の講義風景
遺伝子研究の歴史とご自身の研究経緯を軸に、学会でライブ演奏をした話や、海外での学会参加の際の風景写真、研究者間での音楽の交流、小説の舞台に絡めた話などを、とても自然な流れで、楽しそうに話をしてくださいました。先生の楽しそうな表情を見ているだけで、こちらも幸せな気分になりましたよ。何人かの方が、「北村先生の生きざまは、今後の自分の参考になった」と言っていたのが印象的でした。個人的には、「研究対象を好きになること」との言葉がとても心に刺さりました。アザラシ型ロボット・パロが好きすぎて、社会実装活動だけでなく、研究にも手を出しているので、「それでいいよ」と言っていただいた気がして、とても嬉しくなりました

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2010国際免疫学会でのライブ風景(昼間リハーサル)

 アンケートのコメントを紹介

・遺伝について、DNAについて楽しく知れました

・先生の生き方が面白い。興味のある事が似ていて生きやすかった。

・先生の趣味などについての話が面白かったです。

・自由が一番 感動です

DNAのことがよくわかりました

・やはり研究者は研究を楽しまなくてはと印象付けられた

・幅の広い話を聞くことができて楽しかった。

・難しい話もあったが、さらに知識を深めたいと感じた。


  北村先生の講義を聞いた高校生が、先生の生きざまに影響を受けて、自由に羽ばたいていって欲しいものだと思いました。
補足①
処女小説「17秒の向うに」:本の帯の「何かを失ったと感じているあなたに・・ 前に進むために捨ててきたものを、再び取り戻そうとするあるクリエーターの物語」のフレーズが大好きです。次の一歩を踏み出したいと思っている方に読んでいただきたい1冊です。

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アマゾンで1100円で購入できます。
Amazon.co.jp: 17秒のむこうに : 北村 俊雄: 本

補足②
Negative selection(バンド名)

ほとんどのメンバーが現役の免疫学者で、東大、京大、理研をはじめとした日本の頂点の研究者たちによるプログレッシブ・ロックのバンドです。NHK『ガッテン!』の1000回記念に登場し、『リンパ節ひとり旅』が披露されました。この曲は、リンパ球がリンパ節を巡りながら、病原体との戦いに向けての準備をし、やがて病原体との戦いの現場へ出発する決意を歌ったもので、1番はT細胞、2番はB細胞を表現したものだそうです。

(2) 【Negative Selection】リンパ節一人旅 - YouTube

北村先生はドラムを担当するだけでなく、作詞もされます。Epilogue〜夏の終わりに〜という曲は、北村先生の作詞ですが、大好きな曲のひとつです。



なお、CDは下記サイトから1100円で購入できます。
Negatively Selected : Negative Selection | HMV&BOOKS online - NSS-1


Negative selection公式サイト:Welcome to Negative Selecton – The band you`ve never seen before. (negativeselection.jp)



3)4時限目:「人と共存するロボット パロ」
       ハッピーネット理事 岩橋美智代氏

  ハッピーネットでパロを語らせたら右にでる人はいないと言われている岩橋さん。岩橋さんの家には「まめ助」と「くるみ」の2頭がいます。とくにまめ助は、悲しいときにそっと寄り添ってくれる、イケてる男の子ですよ。本当なら会場でパロ愛をたっぷり語っていただきたかったのですが、所用のため当日参加が難しくなり、「岩橋さんの音声付スライド出演」で行う事に決定! 「代打那須!」という予定もしましたが、岩橋さんの声でパロ愛を語らずして、何が伝わるのだと言うことで初の試みに挑戦です。とはいってもリハーサルなしのぶっつけ本番でうまくできるかドキドキです。しかし岩橋さんの声が流れ始めると柔らかくゆったりとしたまさにパロに癒やされているかのようでした。


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←岩橋さんの音声付きスライドと
 進行役の那須さん。
 今度は、パロTシャツを着ています。







  講義の後はまちに待ったパロとのふれあい体験です。最初は恐る恐るパロを触っていた受講者の皆さんでしたが、あっという間にパロを抱っこしはじめ声をかけていました。受講者の方の顔が笑顔になり笑い声や会話が弾み皆さん楽しそうでしたよ!
パロの事を知っている方も初めて知った方もいましたが、今後機会があればパロについて紹介したいという意見もいただけました。


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 ↑ハッピーネット特別顧問で、
名大予防医学教授の若井先生も駆けつけてくれました


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←男子高校生も興味津々










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パロのしゃちほこポーズ
1体だとできなかったパロも、他のパロがいるとなぜかできるようになるんです。→




アザラシ型ロボット・パロについて知りたい方へ
 月2回 パロハンドラー研修会を、ZOOM・無料で開催しています。講師はハッピーネット代表理事の堀が担当します。開発者の柴田崇徳博士が司会を担当します。質疑応答を含めて2時間の講座です。
申し込み↓↓↓



3. 北村俊雄先生を囲む会

  熱い1日が終わったあとは、大谷高校近くにある「トリックオアトリート」というお店で、美味しいスイーツを頂きながら、「北村俊雄先生を囲む会」を開催しました。12名の参加者で店内はほぼ貸し切り状態。みなさん、マスターのこだわりのスイーツをオーダーしました。


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  北村先生はとても気さくな方で、お仕事の話やプライベートな事(小説・バンド活動)もユーモアたっぷりにお話下さいました。ハッピーネットの特別顧問として自らパロTシャツもお召しになり、ばっちり写メにもおさまってくださいました。

 


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←那須さんが産み出した「三密君」















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笑み筋(えみきん)体操にこちゃんマーク→






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←北村先生の隣は、ハッピーネット理事で、愛知淑徳大学教授の加藤先生です。


 いつまでも北村先生とのこの時間を過ごしたかったのですが、先生もお忙しい予定を割いてお越し頂いておりご無理も言えず、囲む会を閉じさせて頂きました。パロTのままタクシーに乗られ、手を振りながら喫茶店を後にされた北村先生!きっとご帰京される新幹線の中でも広報活動をされた事はいうまでも無いでしょうね。


4. もしバナゲームについて
  米国発祥のこのゲーム。日本ではiACPが日本各地で普及活動を行っています。私もここでで研修をうけて「もしバナマイスター」に認定されました。愛知県で初のマイスターなんですよ。私の所属するハッピーネットでは今回のサマセミ以外でも色々な場所で「もしバナゲーム」を行ってきました。(もし体験したいと思われた方は、ハッピーネットまでご相談ください) 


 

72844593_1506177939530614_8834673210189414400_n←過去に開催したハッピーネットのもしバナゲーム

 
人生の最後に自分はどうありたいか・・・。とても大切な事だとわかっていてもなんとなく「縁起でも無いから」という理由で避けがちです。ましてやご自分の親や子供と面と向かって話すのは何かきっかけがないとなかなかできないものです。「もしバナゲーム」は、そんな難しい話題をカードゲームを通じて、考えたり話し合ったりする事ができます。
 

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←もしばなカードの一部









 
このゲームは「もしもあなたが治療困難な病気で生命の危機がせまって余年といわれたら・・・あなたは何を大切にしますか?」という条件と35枚のカードを使います。この35枚のカードには、重病のときや死の間際に「大事な事」として人がよく口にする言葉が書いてあります。自分が「そうそう!これこれ」と思うカードが手元に来る事もあれば、狙っていたカードを寸前の所で他のプレイヤーにスイッともって行って行かれる事もあり。自分の思うように進まないゲームはなにやら人生と同じように思えます。余命半年に自分が大切にしている事や新たな自分に出会える事もあります。また他の人の考えを知る事で自分の考えを深めるきっかけにものなるゲームです。



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←過去のもしバナゲーム。
受講生を見守る那須さんとパロ達。









5. 最後に
    最後までお読みいただきありがとうございました。
7月16日に開催したサマセミでのハッピーネットの取り組みを紹介させていただきました。このブログを読んで、もしバナゲームやパロ、笑み筋(えみきん)体操に関心を持たれた方は、ぜひハッピーネットHP「お問い合わせ」フォーマットからご連絡ください。
 そして、受講してくださった皆様、貴重な機会を下さったサマセミ実行委員の皆様、講義運営を担ってくれたボランティアの皆様に心よりお礼を申し上げます。